マユ~。の読書中心の生活(新

アラフォーおひとり様の日常通信

「働き方改革」に思うことーー『労働神事説』と『労働懲罰説』

最近はだいぶ 「働き方改革」が広まってきたかなーと思われますが、 やっぱりなんか、ぎこちなさが残るというか。 まだまだ日本人は「仕事」との 距離の取り方が下手だよなぁと感じるわけです。

そんな時、わたしが思い出すのは 昔本で読んだ『労働神事説』と『労働懲罰説』の話。

その本とは曽野綾子さんのエッセイで、

「どうして欧米人に比べて日本人は こんなに休むのが下手なのか?」と 疑問に思った曽野さんが 友人の学者さんに聞いてみたところ、

「欧米人は『労働懲罰説』で、日本人は『労働神事説』だからね」 という自説を披露され、非常に興味深かったという話で。。。

まず『労働懲罰説』とは何かというと キリスト教に端を発する思想で 「労働とは神に課せられた罰である」という考え方のこと。 (旧約聖書でアダムとイブが罪を犯して楽園を追われたときに アダムは「生涯食物を得るために働き続けなければいけない」という罰を、 イブは「出産のときに死ぬほど苦しむ」という罰を与えられたとされているので)

これはつまるところ、 「人間は本来ならば、働かず遊んで暮らせたはずだった」 だから 「働かずに暮らせる状態が人間の理想であり、その状態に戻るために努力する」 という考え方になるのだそうで。

だからこそ欧米人(キリスト教が根付いている文化の人たち)は あんなにも文明を機械化し、仕事を効率化して生産性を上げ、 外国人やAIに仕事をまかせて自分たちは休もうとするんだと。

一方、日本人は古来から 自然を神と崇め、 自然に仕える(農作業)事で 実りを得て生きてきたわけで、

日本人にとって「労働」とは 神に仕えること すなわち『神事』である、と考える。

だから働くということは素晴らしく、誇らしい行為であり、 働けないのは恥ずかしいことだ、というような思想になるのだそうです。

そんな訳で日本人は 「仕事を効率化する=簡単に済ませる・外国人やAIにまかせる」ことに抵抗を感じ、 休んでいるとなんとなく落ち着かない、みたいなことになるんだと。

これはかなり、納得のいく話だなーとわたしも思うんです。

実際のところ、日本人って働くの好きだもの(笑

働き方改革」も結局 「理想的な働き方」を求めているだけで、 「働かないで暮らす」ことは目的にしてないようだし。

このあたりが根本的に違うのに、 今のように欧米式をマネして 生産性向上だ効率化だとやっても しょうがないんじゃないかなー?と。

だってそもそも 『労働神事説』自体は 全く悪いことではないはず。 働き者なのが悪い訳がない。

ただ、思想の異なる人たちと共に働き しのぎを削らなければいけない現代においては うまく機能しないことがあるというだけで。 (ブラック企業みたいに、日本人のこの思想に付け込んで搾取しよう、みたいなところも増えてしまったし)

この時代の変化と古来からの思想との折り合いをつけるのは やっぱり一朝一夕にはいかないんでしょうね。

まあでも、この「働き方改革」 最終的にはクリスマスとかと一緒の感じになるんじゃないかな?とわたしは思ってるんですが。

クリスマスも、その根底にある思想(キリスト教)にはまったく共感しないまま、日本流にして取り込んで 今や大きな経済効果を生み出している訳ですからね。

きっと「働き方改革」も「生産性向上」も、働くの大好きなまま うまく取り込める日が来るんじゃないかなー?と。 期待しているんですけどね。

そのために今、がんばってるのかな。

Posted from するぷろ for iOS.